刑法39条がテーマ「無痛」久坂部羊
見るだけですぐに症状がわかる二人の天才医師、「痛み」の感覚をまったく持たない男、別れた妻を執拗に追い回すストーカー、殺人容疑のまま施設を脱走した 十四歳少女、そして刑事たちに立ちはだかる刑法39条――。神戸市内の閑静な住宅地で、これ以上ありえないほど凄惨な一家四人残虐殺害事件が起こった。凶器のハンマー他、Sサイズの帽子、LLサイズの靴痕跡など多くの遺留品があるにもかかわらず、捜査本部は具体的な犯人像を絞り込むことができなかった。そし て八カ月後、精神障害児童施設に収容されている十四歳の少女が、あの事件の犯人は自分だと告白した、が……。
無痛 (幻冬舎文庫) 久坂部羊 (著)
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お医者さんが書いた小説です。
刑法39条が大きなテーマとしてあるのですが、現代医療に対する問題提起も随所に見られました。
例えば、こんな台詞があります。
「これまでの医療には、快適さを選ぶ自由がありませんでした。医療は平等という概念が、重視されすぎていたからです。お金を払える人も払えない人と同じサービスで我慢させられていた。 かつて無医村などがあったころは、医療の普及が先決ですから、それも仕方なかったでしょう。でも、もう十分行き渡ったのですから、これからは質を高める時代です。 安くて手軽な医療、高価だが快適で安全な医療、そういう選択肢を持つ時代になっています。 日本の制度は遅れすぎです。 たとえば胃カメラでも、細くてしなやかな最新式のものと、太くて飲みづらい旧式のものと、どちらを使っても、保険点数は同じなんですよ。こんなバカな料金システムがありますか。 だから、我々は付加価値をつけて、サービスフィーをいただいているのです」
また、こんなブラックな台詞もありました。
「生に執着する患者には反吐がでる。死を恐れ、病気を忌避し、わずかの異常にもうろたえる。往生際が悪く、未練がましい。そのくせ欲が深くて、身勝手だ。そんな患者に医者が同情するとでも思っているのか。医者はみんな病人を見下し、優越感に浸っているんだ。命など浜辺の砂粒のようなものだ。これまでいったいどれだけの命が生まれて消えた? 誰の命も等しくそのひとつに過ぎないのに、何を後生大事にする必要がある? どこに守るべき価値がある?」
「命が大切みたいに思えるのは、錯覚だ。 医者のようにまわりに死があふれている仕事をしていれば、命が実はそれほど大切でないことがわかる。自分の命が大切でないとわかったとき、どうやって他人の命を大事にできる。時間がたてばすべてが終わる。自己欺瞞はやめろ。努力するふりはやめろ」
お医者さんが書いているからこそ、リアリティーを感じます。
あと、この小説を読むには注意点があります。
それは、かなりグロテスクな描写が多いんです。
かなり、です。
なので、そういうのが苦手な方にはお勧めできません。
#無痛 #久坂部羊 #小説 #読書感想
宮古島には、いろんな食事処がいっぱ〜いあります!どこにでもあるので、味も値段も想定内で安心の、マクドナルドや、モスバーガーにケンタッキー、大戸屋や、和風亭、24時間営業のファミリーレストランなんてのもありますが、やはり、その場所でしか味わえない食事をしてみたいものですよね〜。というわけで、…
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